言語聴覚士(ST)とはどんな資格?資格取得方法と仕事内容について

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言語聴覚士(ST)とはどんな資格?資格取得方法と仕事内容について

言語聴覚士(ST)とは、リハビリテーション専門職のひとつで国家資格です。理学療法士や作業療法士と違い、言葉によるコミュニケーションのリハビリテーションを専門に行います。ここでは、言語聴覚士について詳しく解説します。



<h2>言語聴覚士(ST)とは</h2>

言語聴覚士(ST)とは、言葉によるコミュニケーションに障害がある人を対象に専門的な立場から支援を行うリハビリテーション専門職であり、英語では Speech Therapyと表記することからSTとも呼ばれている国家資格です。1971年には国立聴力言語障害センター(現国立身体障害者リハビリテーションセンター)に専門職員養成所が設置され、言語聴覚士の養成が始まり、様々な現場で活躍していたものの、言語聴覚士法が成立したのは1997年と、理学療法士や作業療法士といったそのほかのリハビリテーション専門職に後れを取る形で国家資格化されました。しかし、言語聴覚士(ST)の資格取得者は年々増え続け、2018年3月現在、約3万1千人が言語聴覚士(ST)の資格を取得しています。
言語聴覚士(ST)の主な仕事は、言葉によるコミュニケーションに障害がある人のリハビリテーションと、食事などに関わる嚥下機能のリハビリテーションです。その障害における問題点を明らかにしたうえで、訓練や指導などさまざまな支援を行います。
活躍の場は病院やリハビリテーションセンターなどの医療機関や介護老人保健施設、デイケアセンターなどの保健施設の他、特別養護老人ホームやデイサービスセンターなどの福祉施設、小中学校や特別支援学校などの教育機関など多岐に渡ります。対象者も幼児から高齢者まで幅広く、言葉や嚥下機能に障害を持つすべての人が対象となっています。


言語聴覚士(ST)の仕事内容とは

言語聴覚士(ST)の仕事内容は、大きく分けて「言葉によるコミュニケーションに問題がある方のリハビリテーション」と「嚥下機能に関するリハビリテーション」の2つがあります。それぞれについてみていきましょう。

言葉によるコミュニケーションに問題がある方のリハビリテーション

言葉に関係する障害には、「言語障害」と「音声障害」の2種類があります。言語障害では、言葉や話が理解できない、文字が読めないなどの症状がみられます。声を出す機能そのものに問題はありません。脳梗塞などの疾患で言語をつかさどる大脳が損傷することにより引き起こされる障害です。発症後早期に言語聴覚士(ST)が介入することで、家族や周囲の人とのコミュニケーションがとりやすくなります。
音声障害は、言葉は理解できるものの、声が高すぎたり低すぎたりして、うまく発音することができなかったり、声が思ったように出ないなどの症状がみられます。脳や神経に起因するものから喉のポリープ、心因性まで様々な原因で起こります。言語聴覚士(ST)は腹式呼吸や口周りの筋力アップ、音読訓練などを行うことで、言葉が話しやすくなるように助言、指導、支援します。

嚥下機能に関するリハビリテーション

食事を飲み込む動作に関わるリハビリも言語聴覚士(ST)が担当します。嚥下機能のリハビリテーションでは、食べるために必要な筋力の強化や誤嚥した食べ物を吐き出すための訓練を行います。口腔内の環境や機能維持を図るための口腔ケアや、その人に合わせた食事の姿勢や食形態の検討なども言語聴覚士(ST)の仕事のひとつです。実際に食べ物を用いた訓練も担当します。


言語聴覚士(ST)になるには

言語聴覚士(ST)になるためには、言語聴覚士(ST)の養成施設で学んだあと、言語聴覚士国家資格を受験し合格する必要があります。高校卒業の場合は3年以上のカリキュラムを持つ養成施設で学ぶ必要がありますが、4年制大学を卒業している場合には2年制の養成施設で学べば受験資格を得ることができます。


言語聴覚士指定養成校は2018年時点で全国に73件あり、4年制大学は25件、4年制の専門学校は7件、3年制専門学校は19件となっています。2年制のカリキュラムを持つ大学院は3件、専門学校は23件あります。編入制度を持つ大学もあり、理学療法士や作業療法士に比べると学校数は少ないものの、間口は広いといえるでしょう。


養成施設では、基礎科目や専門基礎科目として言語やコミュニケーション行動に関わる医学や、心理学、言語学など言語聴覚士(ST)として必要な幅広い知識を基礎から学びます。専門科目では、言語聴覚障害学概論や失語・高次脳機能障害学、発生発語・嚥下障害学などを学習します。そして、病院やリハビリテーションセンター、施設などで臨床実習を行い、言語聴覚士(ST)として必要な知識や技術などを習得します。


言語聴覚士国家試験の2018年度の合格者数は2008人、合格率は約79.3%でした。例年の合格率は50~60%であることから、2000年以降で最も高い合格率となっています。これには、言語聴覚士(ST)の需要が高まっていることが背景にあります。2018年時点で、全国で活躍する言語聴覚士(ST)有職者の数は14,820人と、同じリハビリテーション専門職である理学療法士や作業療法士に比べると圧倒的に少ないことが分かります。国家資格としての歴史が浅いことや、養成校が少ないというデメリットはあるものの、活躍する言語聴覚士全体の約76%が女性となっており、これから更に期待できる資格といえるでしょう。


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